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社長の独り言

『シルバーとっぷ』という社名に使われているコロコロした丸文字は、20年前、私が起業する事を聞き、デザイナーだったオジキが考えてくれたものである。その大好きだったオジキが一昨日亡くなり、その通夜の帰りの新幹線車内で、今回の社長の独り言の原稿を書いている。
父親が日本航空に勤めていたせいか、子供の頃から長距離の移動は常に飛行機が当たり前だった。日航でそこそこのポジションまで出世していた父は、いわゆるタダ券をいつでも簡単に手に入れる事が出来た。
それなのに、なぜか昭和45年に大阪にて開催された『日本万国博覧会』には家族を新幹線で連れて行った。長距離の移動手段は、常にタダで乗れる飛行機しかあり得なかった私にとって、万国博覧会で見る事が出来るという月の石も、岡本太郎氏がデザインした太陽の塔も、各パビリオンに数名ずついるという魅力的なコンパニオン・ガールも、生まれて初めて乗る夢の超特急・ひかり号の魅力の前では足元にも及ばなかった。
分類はあくまで『電車』なのに、航空機を思わせる流線型の先頭車両。白をベースに窓の周りを青く塗ったハイセンスな車体。時速200キロを巡航速度とする驚異的なスペック…。8歳の子供だった私にとって、新幹線は正に『夢の乗り物』だった。
知り合いの鉄道オタクによると、私が乗ったひかり号は0系(ゼロケイ)と呼ばれていて、現在は最高速度300キロオーバーのN700系にその主役の座を奪われ、もはや骨董品的存在なのだそうだ。
去る10月30日、ついに夢の超特急・0系ひかり号は、第一線から引退してしまった。時の流れはあまりに早い。『昭和の象徴』だったひかり号も記憶の彼方へと去り、会社の成功を願ってロゴ・デザインを考えてくれたオジキも他界してしまった…。寂しい。
代表取締役 外山慎司
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